時を知っていたかのように咲いた庭の菊の花を摘み、お盆帰省の自粛からひと月、父の墓を参り墓前に供えた。
お墓の前に立つと、そこに伯母が待っていた。
お墓の真ん中に一匹の小さな蛙。
蛙を指して、私に付き合って一緒に来てくれた母に説明すると、少し驚いた様子だったが最後は納得してくれたようだった。
伯母は父の姉で、父より5年ほど早く亡くなっているんだけれど、同じく天国にいる旦那さんとの間には子供がおらず、姪っ子甥っ子に当たる私や弟をとても可愛がってくれて、特に何かと心配事が絶えなかった私をいつも気遣って援けてくれていた。私も、もう一人の母の様に慕っていた大切な伯母だった。
伯母が旅立ってから、一人暮らしの私の部屋の玄関ドアに、いつも一匹の小さな蛙がとまっていて、暗い部屋に帰る私を「お帰り」と待ってくれているように感じて、気持ちをほっと安心させてくれていたんだけれど、間もなくその蛙が伯母だということに気付いて、それ以来、特に私が淋しい時や辛いときに会いにきて見守ってくれる。
父のお墓へ向かう道中、伯母のお墓も参りたいと言う私に、諸々の事情で今年は我慢せざるを得ないと母は言い、そんな私の淋しい想いが伯母にはちゃんと伝わっていたらしい。
仲良しだった父のもとで待っていてくれるとは、伯母の優しさを感じる。
お墓参り用に育ててきた菊の花を供えることができ、さらに伯母との再会が叶った昨日は、とてもいい一日だった。
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